フリーランスの始め方

フリーランスを始めるためには具体的にどんな準備や手続きが必要になるのでしょうか。
それまで勤めていた会社を辞めてフリーランスとして独立するケースを例に、順を追ってポイントを解説します。
退職前
クレジットカード作成、保険加入、ローンの完済など
フリーランスは、所属する企業・組織という後ろ盾がないことから、会社員の頃よりも、クレジットカードを作る、保険に加入するなどのハードルが上がります。必要なものがあれば、退職前に用意しておきましょう。
また、フリーランスとして独立後は、事業が軌道に乗るまでの間は収入が不安定になることが多いので、支払中の住宅ローンなどがある場合には、独立前に完済することも視野に入れて、資金計画をよく検討する必要があります。
退職後
健康保険の切り替え
会社員だった方がフリーランスになる場合には、会社員時代の健康保険を2年間任意継続するか、国民健康保険に切り替えるか選ぶことになります。保険料や任意継続した場合に利用できる健康保険組合独自の制度の有無などを確認の上で決めましょう。
任意継続した場合の保険料は、それまでの一部負担ではなく、全額自己負担となります。実際の保険料がいくらになるのか、会社や健康保険組合に確認しましょう。
国民健康保険の保険料は市町村役場で確認することができます。市町村のホームページにシミュレーション機能や計算シートを掲載している場合もあります。また、こちらのサイトでも確認できます。
国民健康保険への切り替えは、退職後14日以内に行えば、資格喪失日の翌日までさかのぼった上で保険資格が適用されます。早めに手続きを行いましょう。
年金の切り替え
会社員だった方がフリーランスになる場合には、厚生年金から国民年金に切り替えることになります。年金の切り替えは、お住まいの地域の市町村役場で手続きできます。
開業
開業届・青色申告承認書の提出
フリーランスになる際は、開業届を提出します。開業届とは、新たに個人事業を開始したことを税務署に申告する書類で、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
個人事業主は原則として事業を開始して1か月以内にこの届出書を提出する必要があります。ただし、提出しないことによる罰則はありません。
開業届を提出するメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
青色申告ができる ・最大65万円の特別控除を受けられる ・赤字を最大 3年間繰り越せる ・家族への給与を経費にできる(青色申告専従者給与) ・貸倒引当金を経費にできる ・30万円未満の資産を取得した場合、一度に経費に計上できる | 青色申告にすると複式簿記になり、簡易簿記に比較して帳簿付けがやや面倒 |
小規模企業共済に加入できる | 配偶者の扶養に入っている場合は、外れる可能性がある |
屋号付きの事業用銀行口座を作れる | |
個人事業主であることの証明になる ・店舗やオフィスを借りる場合や、金融機関に融資を申し込む際などに提出を求められることがある ・保育園や学童に申し込む際に、「就労証明」として使える |
このように、開業届を提出することにはメリットが大きいので、基本的には提出することをおすすめします。
開業届は、国税庁のホームページからダウンロードできますし、最寄りの税務署で入手することもできます。
freee(freee開業) や マネーフォワード(マネーフォワード クラウド開業届 ) は、無料で開業届や青色申告承認申請書を作れるサービスです。筆者もこれを利用して開業届と青色申告承認申請書を作成しましたが、手軽に作成できてとても助かりました。
必要なものを揃える
フリーランスとして活動するために必要なものを揃えましょう。
必要なものは業種によって異なりますが、一般的に以下のようなものが、業種に関わらず必要になります。
- パソコン
- 事業用の銀行口座 や クレジットカード
- 会計ソフト や 確定申告ソフト
- 事業用の印鑑
- 名刺
- ホームページ と メールアドレス
- 見積書・ご利用明細書などのひな形 など
まとめ
フリーランスになる前後は、各種の手続きや必要なものの購入など、やるべきことが比較的多くありますが、計画的に進めてひとつひとつクリアしていきましょう。
-
会社員がフリーランスになる際、失業手当(失業保険)は受給できる?
記事がありません
この記事を書いた人 Wrote this article
porco trasporto
porco trasporto は、小さなWebメディアを複数運営しています。